Tuesday, 9 December 2025

オデッサファイルの続編

紀伊国屋に行くと、フレデリック・フォーサイスの新書があった。大ファンだけに「あれ?まだ出していたの」と期待も半分、何か腑に落ちない気持ちで買ってみた。タイトルは「Revenge of ODESSA」であった。前作の「The ODESSA file」から、かれこれ50年以上も経っていた。

主人公のMillerも孫に代わり、どんな展開になるかと思いきや、結局アクション物に毛が生えた普通の本だった。当のフォーサイスも今年の6月に亡くなっていて、著作は共著の作家が書いたのは明らかだった。前作はナチの名簿ファイルに辿り着く仕掛けが面白く、緊張感があっただけにガッカリした。

著名な作家の名前を借り、共著形式で続けるケースは多い。いい例がシドニー・シェルダンである。今出版されている半分はTilly Bagshaweという女流作家との共著である。彼の初期の作品から読み進んでいくと、途中からその共著に突き当たる。ただその落差は大きく、それに気付いてからは止めている。

若い頃に夢中で読んだクライブ・カッスラーもそうであった。海を舞台に難破船を探すシリーズはどれも素晴らしく、主人公のDirk Pittは憧れの人だった。ただいつの頃からか、色々な作家との共著に代わった。すると全く別物になったので止めてしまった。

日本ではあまりないケースかと思うが、欧米では何故か虎の威を借りた出版がまかり通っている。あまり上手く行っていない気がする。

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