Wednesday, 25 March 2026

悪夢の裏銀座ルート

先日、久しぶりに長野の大町市を訪れた。春とは言っても、北アルプスはまだ雪で覆われていた。その壮大な景色を眺めながら、在りし日のことを思い出した。

あれは30代半ばだったか、その北アルプスの裏銀座に挑戦した時だった。金曜日の夜行電車で行こうとしていた処、急用が入って出発は土曜の朝になった。その半日の遅れが、後で大きな致命傷になった。


裏銀座ルートは大町から垂直に烏帽子岳に登り、野口五郎岳、水晶岳を通り三俣蓮華、双六を経て槍ヶ岳を目指すルートである。一度烏帽子まで登れば、後は尾根伝えの比較的平坦な道が続くと思っていた。ところが双六を過ぎた辺りで陽が暮れ始めた。おまけに疲労が足に来て、一歩進んでは休むという最悪の状況になってきた。

遠くに槍ヶ岳山荘の明かりが見えるのに、ちっとも前に進まない。そして気が付くと野猿の群れが現れ、じっと此方を見ているではないか!今から思えばどうやって山小屋には辿り着いたか思い出せないが、その恐怖と不安で頭の毛が白くなってしまった。

思えば1泊二日か2泊三日のコースだった。若気の至りとは言え、無茶をしてしまった。大町市の小高い丘に登ると、烏帽子岳しか見えなかったが、40年近く前の事がまるで昨日のよう蘇って来た。

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