Thursday, 19 March 2026

ベネゼイラのWBC優勝

 ワールドベースボールでベネゼイラが優勝した。それもアメリカに競り勝った。ベネゼイラはこの1月、大統領がアメリカに拘束されたばかりである。今回のイランもそうだが、一国のトップが他国に浚われたり殺されたりすれば、誰しも反米感情が生まれる。選手もファンも、その不思議な力を授かったのかも知れない。

ヒトは大きな逆境に直面すると覚醒する。

フレデリックフォーサイスの短編「The Emperor (帝王)」は、それを物語る代表作である。普段は地味な銀行員で、奥さんの尻に轢かれる男がいた。彼はある時誘われ一本釣りの漁に出ると、死闘の末500㎏を超えるカジキを釣り上げた。港に帰って来ると、「銀行なんて、マダムなんて糞くらえ!」と、正に「海の男」になっていたのである。

ジョン・トーランドの「バルジ大作戦」もある。ヨーロッパ戦線末期に、バルジ(突出部分)に取り残された米兵の心境である。普段は贅沢で自尊心が強い兵士が、冬の寒さと支援が途絶えた中で戦い抜いた。著者は「恐るべき戦士に仕上げられた」と言っていたが、死を乗り越えるとヒトは変わるのであった。舞台になったアルデンヌの森にも足を運んだので、身近に感じている。

尤も覚醒も良からぬ方向に走るきっかけになる。太平洋戦争を始めた日本人もそうだったが、追い詰められた生存本能は時として暴走する。今回もイラン人がこれからどう出るか?とても気になる。

No comments: