Thursday 30 July 2015

文豪デュマの父の伝記

何度読み返しても飽きない一冊が、A・デュマ「モンテ・クリスト伯」である。痛快な復讐劇も然ること乍ら、孤島に眠る宝石、牢獄で出会った神父に生涯の教育を受ける下り、奴隷と称する褐色の美女・・・想像の世界とはいえ、どれをとってもエキゾチックで好奇心が掻き立てられる。

それもそのはず、これらの下地はデュマの生い立ちと関係していたことが分かった。最近翻訳されたT・リース著「忘れられた英雄アレックス・デュマ」である。彼の父はカリブ海の仏領に生まれた黒人との混血だった。武勇に丈てナポレオン時代に将軍にまで上り詰めたが、エジプト遠征の帰りにイタリアで捕虜になり苦汁を舐めた。その父の人生を題材にしたのがモンテ・クリスト伯だった。

訳も良かったが、原題が「栄光、革命、裏切り、真のモンテ・クリスト伯(Glory, Revolution, Bettayal, and The Real Count of Monte Cristo)にも拘わらず、日本語のタイトルは「ナポレオンに背いた黒い将軍」と、ちょっとこれにはどうかと思った。ともあれフランス革命前後の植民地、破天荒な先祖の生き様が蘇りとても面白かった。ピュリッツァー賞を取ったのも頷けた。


Wednesday 29 July 2015

南仏に泊まる中東の金持ち

南フランスも夏本番、コート・ダ・ジュールの海岸には今年も世界のお金持ちが押しかける。そんな中、先週サウジの79才になる王様が1000人のお連れと共にやって来たという。場所はカンヌ近郊、かつてエリザベス・テーラーやチャーチルも泊まった高級宿である。近くのヌーディストが多いビーチを閉鎖し、国王に砂が付かないようにと木製の歩道やエレベータを設置したという。地元のひんしゅくを買い、10万人がクレームしているという。

思い出したのは、やはりカンヌのネグレスコと呼ばれる高級ホテルの話だ。昔やはり中東のお金持ちが大挙して泊まった時だ。多くは家族・親戚だったが、中には愛人もいた。時を見計らって主人はこっそり部屋を抜け出し、愛人の処に行く。良く奥さんに晴れないかと心配になるが、そこはお付きが上手く手配するらしい。「家政婦は見た」ではないが、うちに出入りしていたフィリッピン人のメイドが面白おかしく話してくれた。

流石ハーレムの国だけあって、旅のスタイルもちょっと変わっている。