Thursday 4 June 2015

40年前のサン・アントニオ

アラモ砦のあるサン・アントニオは砂漠のオアシスだ。人工的なレストラン街が緑の中に点在し、これも人工の川が中心を流れている。世界中から来た観光客は、昼間の暑さを忘れて寛ぐ空間である。

ところが今から40年前は全く違っていた。学生時代にグレイハウンドバスで全米一周した時だった。サンフランシスコに向かう途中、たまたま降りたサン・アントニオはとても素朴だった。パチオと称する中庭がレストランになっていてバーも外にあった。1ドルを払うと店の女性がテーブルの上でひと踊りしてくれる、それは西部劇の世界だった。今から思えばスペイン文化の名残だったのだろうか、踊っていた女性もカルメンに似ていた。

今では市の周辺にゴルフ場が沢山ある。たまたま名門のカンテラ(La Cantera Golf Club)でプレーすることが出来た。アメリカのゴルフ場は開放的で、メンバーも外者を受け入れる大らかさがある。暖かな気候、豊かな自然、そしてメキシコに隣する異国文化・・・それが人々を惹き付ける魅力になっているのだろう。移住するならいい場所かも知れない。

Wednesday 3 June 2015

映画「アラモ」の世界

テキサスは兎に角広大だ。州の面積は日本の2倍はあるし、GDPも1兆ドルとカナダ一国並みの規模を誇る。石油収入に支えられる経済は豊かで、暖かな気候もあってアメリカの代表的な企業の本社が集まりつつある。エクソンやテキサス・インスツルメンツ初め、最近ではトヨタが移ってきた。

ただ一歩都市を出ると西部劇に出てくるような砂漠が続く。途中の町は西部開拓時代そのもので、馬が車に代わっただけの風景が残っている。面白いのは今だにメキシコ人が多いせいかスペイン語が主流で、レストランのメニューは読めないことがある。バーは広くビリヤードが置いてある。暑さと車文化のせいか、あまり深酒をする人はいない。

テキサス州はデビー・クロケットやナイフのジム・ボーイがメキシコ軍を破って得た土地だ。映画「アラモ」のままの砦が今でも残っているし、やたら砦(Fort)と付く名前の町が多い。車に撥ねられた動物の死骸をハゲタカが蝕む・・・そんな乾き切った砂埃を払ってタコスにバトワイザーを頼むと、いつの間にかウェスタンにタイムスリップした気分になる。

Tuesday 2 June 2015

旅情を誘うテキサスワイン

随分暑くなってきた。もうすぐ夏休みだ。子供の遠足ではないが、一番楽しいのは遠足に行く前だ。どんな処に行くのだろうと話が盛り上がる。何でもそうだが、ゴールよりアプローチの方が夢がある。

そんな中、倉庫に隠れていた白ワインを取り出し飲んでみた。久々に美味しく、はてどこで買ったのだろうとラベルを見てみた。すると輸入した形跡はなく、3年前にテキサスで求めた事を思い出した。フレデリックスバーグ(Fredericksburg)という如何にもドイツの移民が始めた町だったが、アメリカ西部にしては珍しく小さなブティックが連なる観光地だった。近くにある太平洋戦争のミニッツ提督の故郷を訪れ、博物館で日本の特殊潜航艇や戦車を見た帰りであった。

乾燥した空気と石灰岩が作り出すテキサスワインは、最初に移住したスペイン人が始めたという。アメリカワインと聞くとカリフォルニアを思い浮かべるがテキサス産も中々だ。砂漠を3000Km踏破し、ジョン・ウェンのリオグランデ河も訪れ、忘れられない旅だった。

Monday 1 June 2015

Half Swing Drill

ゴルフのスコアメイクには寄せが大事だ。ティーショットで距離を稼いでも、第2打が上手く行かないとスコアは纏まらない。18ホールの内、10ホールはパー4なので当然だ。

2オンを狙って打ったつもりが、力んでバンカーや崖に落としてしまう。かと思えば慎重を期した30Yの3打目が四方やのイップス(Yips)になりチョロてしまう・・・等々、下手の言い訳は切りがない。要は正しいスィングが出来ていない。

ゴルフの教科書によると、良いスウィングを作るならハーフスウィングドリル(Half Swing Drill)と書いてあった。腰の高さでスィングを繰り返す練習法だ。ホワイト・シャークことグレック・ノーマンも一日に600回繰り返したという。腕が痺れるまでやるらしい。正に地獄の千本ノックならぬ千本ハーフスウィングである。家に帰って寝る前に、会社のエレベーターの中で、ややもすれば電車の中でも、上手くなる人は四六時中ゴルフを考えている。才能がなければ体で覚える他ない。