これらを破壊した側も、時代によって違った。古くは東西のローマ帝国、中世からはオスマン帝国だった。ただバルカン半島を旅すると「オスマン=侵略者」のイメージが強かったが、気のせいかギリシャはそれを感じなかった。歴史の半分を東西ローマ帝国に仕えた名残だったのだろうか?将又ギリシャ人の非西洋意識なのか?いつか識者に聞いてみたい。
ところでこの古代遺跡を前にすると、日本の歴史なんか小さく見えてきた。縄文時代か弥生時代頃だろうか?しかし帰ってから改めて調べてみてビックリした。
何と世界で「滅びた事のない国」の1位は日本であった。紀元前660年の神武天皇から今に繋がる天皇制は2700年にもなり、ギネス認定されていた。因みに2位はデンマーク、3位は958年の英国、中国に至っては80年にも満たない。日本はギリシャより古かったのだった!
逆に複雑な感情を持つのは、今のギリシャ市民である。レストランでワインを頼む時、当然「ギリシャのローカルワインね!」と言うと、ボーイは「ギリシャをマケドニアって言う奴がいるけれど、これは本物のギリシャワインだ!」と訳の分からない言い訳をする。
ヘレニズム文明を築いたギリシャの英雄アレキサンドロス大王は、隣国マケドニアの出身、今では西マケドニアはギリシャの隣国だったりするのが引っ掛かるのだろう。過去を遡ると自分の国ではなかったりして、自身のルーツは誰しも気になるのである。