Sunday 29 October 2023

LGBTと日本保守党

暫く前に 役所の人と話していると、「霞が関には二つのタブーがある」と言う。

 一つは東日本大震災である。悲惨で不運な天災だったから、ネガティヴな言動は一切ご法度と言う。例えば被害地の復興に非効率があっても、スルーしなくてはいけないらしい。言われてみれば、何となく分かる気がした。

もう一つは性同一性障害者への対応である。役所にも「私は女性」と名乗る男性がいて、トイレが問題になったと言う。結局彼の為に特別のトイレを用意したらしいが、大きな代償を嘆いていた。

そんな中、未だ世論が煮詰まってないというのに、先日LGBT法が成立してしまった。米国の要求に屈したらしいが、そんな岸田内閣に憤りを感じている人も多いと聞く。 

 ノンポリの友人もその1人で、「これを契機に百田尚樹の日本保守党の会員になった」と聞いて驚いた。そんな党あったっけ?と思って調べてみたら、会員数は既に5万人を超え、維新の会を上回る勢いであった。 

 勿論公約にはLGBT法の改正も入っていた。安全保障や外交、憲法改正など極めて現実的で、同感する人が多いのも頷けた。「フランスの国民連合(RN)のような極右派が出れば票が入るのに!」と思っていた矢先だったので、やっと始まったかと思った。

役所のタブーは予算が無条件で付くことである。タブーはあってはならないのだ。

Sunday 22 October 2023

イスラエルと時計の針

イスラム過激組織ハマスが、イスラエルを奇襲してから2週間が経った。イスラエルも空爆で応酬し、既に双方で死者は5000人を超えて来た。地上戦を控えて更なる被害が予想され、世界は固唾を飲んで今後の成り行きを見守っている。

私は中東に行った事もないし、パレスチナ問題についても全くの素人である。ただ有史以来続くユダヤとイスラムの対立だから、改めて今更と思っている。憎悪は世代を超えて受け継がれ、終わりなき抗争は本当に気の毒である。

 こんな事を云うと怒られるかも知れないが、そもそもイスラエルを建国したのが大きな間違いだと思っている。第二次大戦後までこの一帯は元々はパレスチナ人が住む土地だった。そこにローマ時代に離散したというユダヤ人を呼び戻したのが発端だ。悪いのは英国である。勿論その背景にはホロコーストがあったのだろうが、時計の針を巻き戻してはいけなかったのだ。 

 ハマスにしても人質を盾にするのは許されないが、パレスチナ人が土地を次々に奪われ、多くの難民と残った人は狭いガザ地区に押し込められる現状に爆発するのも分かる。 

 所詮は旧地主と新規の入植者の土地争奪戦である。中東は地図で見ると広い。人の住んでいない砂漠も多い。近隣諸国も含めて何とかならないのだろうか?

Sunday 15 October 2023

シンガポールの車事情

20年程前にシンガポールに住んでいた事がある。暑い国だからどこもクーラーが効いていた。人々は一日中そのクーラーに当たっているので、長袖シャツを常用していた。

移動はもっぱら自動車で、近くのビルに行くのにも自動車を使った。初めは自転車でも買おうとしたが、仲間から「この国は余り自転車を使わない」と云われた。確かに車道を走っているチャリは殆どないし、これも暑さ対策かと思った。 

 その自動車だが昔から高かった。当時でも価格は日本の3倍で、例えばカムリでも800万円はしていた。必然的に車はステータスシンボルになり、「レクサスに乗っている!」などと話せば羨望の眼差しが注がれた。 

 そんな車事情だが、最近は更に高くなっているという。例えばカローラでも円換算で2200万円と云うから、もう完全に常軌を逸している。この理由はCOEと呼ばれる車の購入権の高騰である。狭いお国柄ゆえの台数制限策だが、需給ギャップの成せる業は恐ろしい。

シンガポールは狭い島国である。車で1~2時間もあれば一周してしまう。車にそんなにおカネを掛けてどうするの?と思ってしまう。つくづく日本に住んで良かった。

Tuesday 10 October 2023

スロベニアという国

男子バレーボールで、日本チームのオリンピック出場が決まった。普段は殆ど見ることのないバレーボールだが、今回ばかりは観戦に熱が入ってしまった。

その対戦相手はスロベニアであった。人口200万人の小さな国だが、旅をして感じたのは地理的なユニークさであった。

スロベニアはイタリアとオーストリアに国境を接している。ユーゴスラビアが解体した時、最初に独立出来たのがスロベニアだった。

理由はイタリアからアメリカ軍が入って来て、独立の支援を受けるのに成功したのであった。コソボなどは未だに内戦が続いている場所もあるがこれは大きかった。旧ユーゴの中でGDPが一番高いのもその為である。

ただその反対もあった。戦後に鉄のカーテンが下りた時、国境の町では市内が分断されるなどの事態が起きた。今でもその跡が残っていたが、南北朝鮮のように家族も離ればなれになってしまった。

また第一次大戦の頃は、イタリア軍とオーストリア・ハンガリー軍が対峙した舞台になった。ヘミングウェーの「武器よさらば」に出てくる山岳地帯は今のスロベニアである。ゲーリー・クーパー演じるアメリカ人兵士はイタリア側で参戦するが、最後は恋する看護婦の元に逃亡する。行先はスイスだった。北の国境を越えオーストリア経由で向かったのだった。

Wednesday 4 October 2023

ジビエと小鹿物語

食の秋である。特にこの時期、フランス料理ではジビエが出て来る。イノシシ、鹿といった野生動物である。この春、友人の息子さんが仕留めた獲物を振る舞う会があった。有名なシェフが料理してくれ皆で珍味を堪能したが、後で胃が持たれてた。やはり歳を重ねると食べ慣れた寿司やそばの方がいい。

その時、鹿の肉を食べながら思い出した事があった。それはグレゴリー・ペック演じる「小鹿物語(The Yearling)」だった。小鹿を通じて子供の成長を見守る感動作である。 

 小鹿は最初は可愛いが、次第に成長するにつけ農作物を食い尽くすようになる。最後は射殺されるが、そのショックを乗り越え子供が成長する様子が素晴らしい。取り分け父親の寛容と優しさには何度見ても心を打たれる。

 その小鹿を飼うようになったのは、父親が森の中でヘビに噛まれた事がきっかけだった。彼は咄嗟に近くにいた親鹿を撃留め、その肝臓で毒を吸い出して一命を取り留めるのであった。鹿の内臓は殺菌効果があったのだ。開拓時代の人は逞しかった。 

余談だが、昔パリのアパートで野兎の子供を飼っていた事がある。ただ大きくなり過ぎて手に負えなくなった。そこで近くのブーローニュの森に放す事にした。別れを惜しんでその場を去ろうとすると、どこから現れたのか男がさっと拾い上げて持って行った。その晩は彼の胃袋の中に納まったかと思うと心が痛んだ。

よく日本人は農耕民族で西洋人は狩猟民族と言われる。身近な事だが、こうしてジビエに接するとその違いが良く分かる。