Saturday 13 January 2024

ゼレンスキーとブリンケン

日本に住んでいると、ユダヤ人は遠い国の人に思っていた。せいぜい昔読んだイザヤ・ベンダサンの本を思い出す位だった。ところが最近、ウクライナのゼレンスキー大統領も、支援に行ったブリンケン国防長官もどちらもユダヤ系と聞くと、次第にその思いも変わってきた。

学生時代に経済学を習った時、バイブルはポール・A・サムエルソン教授のEconomicsであった。原書を渡され四苦八苦した記憶があるが、彼の祖先はポーランドで薬屋を営むユダヤ人だった。対するマル経のカール・マルクスもドイツ系のユダヤ人だったから、彼らが学部を二分していた事になる。

 政治の世界もそうだった。当時は東西冷戦時代で、アメリカではブレジンスキーや最近亡くなったキッシンジャーが活躍していた頃だったが、彼らもポーランドやドイツから逃げてきたユダヤ人の末裔だった。対するソ連も生みの親のレーニンがユダヤ人の血を引いていた。ロシア革命はユダヤ人が起こしたと言われる所以である。

 現在でも生活にユダヤ系が深く染み込んでいる事に気付く。例えばスタバでコーヒーを飲みながらデルのパソコンを使ってフェースブックに書き込みしたり、グーグル検索を行ったり、週末ともなればディズニーランドに行くが、これらの創設者は全てユダヤ人である。

映画の世界は正に綺羅星である。ハリーポッター役のランドクリフは南ア系、スピルバーク監督はドイツ系、あのハリソン・フォードもベラルーシ出身のユダヤ人だった。古くは「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック監督はポーランドとルーマニア系、ウディ・アレンはロシア系、ダスティン・フォフマンはウクライナ系等々。 

 カルバン・クラインの服を着てメンデルスゾーンやシューベルトを聴けば完璧だし、正に我々はユダヤ人文化の中で生きている。

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