Thursday 15 October 2020

理科系の世界

日本学術会議の会員選定を巡り、会の在り方が問われ始めた。野党は問題のすり替えだと批判しているが、時の政府が(会員の)決め事が出来ないなら、当然の流れだと思う。これを契機に、欧米のように独立した機関に目指すのだろうか?問題はお金である。ただでさえ財政事情が厳しい国立大学が、掛かる経費を賄えるか甚だ疑問である。中でも事務局の人件費は大きく、今でも6億円と聞いている。若くて優秀なスタッフがいなければ、折角の提言を文章化は出来ない。

それにしても学術会議って何だろうか?今ではシンクタンクや研究所も豊富だし、政治家のネットワークも国際化している。政策提言なら特にこれに頼る必要もない気がする。そもそも理科系の世界は、東大を頂点にしたヒエラルキーで成っている。国の予算をその道の大御所が取り、全国の地方大学に散らばっている門下生に配分する。門下生は大学に残れなかったポスドクを雇って研究をする。ポスドクは基本的に1年契約だから給与は低い。研究が続くうちは雇用が確保されるが、ボスが異動すると身の保全に励まなくてはならない。昔は頭がいい人が理科系を選んで進んだが、結果的に文科系を出て平凡なサラリーマンになった方が生活は安定した気がする。 

そんな雇用を維持するために、大きな流れを作るのが学術会議なのかも知れない。だから変革は会員の教授にとって大きな問題である。よくテレビに出る大西前会長の話を聞いていると、「自分は菅総理より偉いんだ!」の自負が伝わってくる。長年国立大学にいると、「国のお金=自分のお金」みたいな感覚が生まれるのだろう。これには違和感がある。何故なら政治家は国民が選んだ代表だが、国立大学の教授はそうでないからだ。そんな市民感覚を反映した議論をして欲しいが・・・。

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