Monday 24 January 2022

綺羅星のウクライナ移民

年を超えても緊張が続くウクライナ、果たしてロシアの侵攻はあるのだろうか?思い出すのは2014年のクリミア侵攻である。傀儡政権を作ってあっと言う間に実効支配してしまった。また同じやり方を使うのだろうか?ただクリミアの時はロシア系の人が半分以上もいた。今回は多いとされるドネツク州でも38%に過ぎない。強行すれば荒れる気がする。

加えて西側の支援である。どうやらその背景には嘗てのウクライナ移民がいるようだ。19世紀後半から国を出て行ったウクライナ人は多く、アメリカに150万人、カナダには100万人もいた。多くはユダヤ人で、最近その人達の名前を聞いて驚いたのであった。 

例えば音楽家だと、ピアノのウラジミール・ホロビッツ、スヴャトスラフ・リヒテル、古くはミッシャ・エルマン、ヴァイオリンのダビット・オイストラフやアイザックスターン、ミルシュテインもいた。作曲家のプロコフィエフや指揮者のバーンスタイン、舞踏家のニジンスキーもそうだった。

また俳優のカークダグラスもその末裔だし、景気循環論で有名なクズネッツや、日本が太平洋戦争の時に散々やられた飛行機シコルスキーもその一人だった。その他、抗生物質ストレプトマイシンのウクスマンやソ連のフォン・ブラウンと呼ばれたロケット技術者セルゲイ・コロリョフなど。政治家ではスターリンの政敵トロツキーや、逆に側近だったカカノヴィッチ、ゴルバチェフもウクライナコサックの末裔という。

そんな綺羅星の如き人材を生んだ土地柄だが、なぜか体制は脆弱である。やはり長年のロシアによる懐柔政策が功を奏しているのだろう。そもそも1991年の独立も、その棚ぼた的な独立をして外交官の黒川祐次氏が、目出度さも中ぐらいと評していたように、自ら勝ち取ったものではなかった。

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