Thursday 12 February 2015

ペリー提督の日本遠征記

「ペリー提督・日本遠征記」は長編にも拘わらず、とても面白い本だ。幕末、1852年からの2年間の日本を克明に残している。その視点は現代と変わりないので、タイムスリップし江戸社会を垣間見ているようだ。
                                                     例えば当時の家には家具が殆どなく質素で、服装も一般の人は粗末な着物だった。そのため女も決して美しくなく、歯黒は笑うと気味悪い印象を与えた。一方で女性の地位は結構高く、家族社会は秩序立っていた。社会の上下関係は厳しく、ペコペコするかと思うと上の人には頭を下げるので、「代わる代わる主人となり奴隷となる」と表現していた。また中々物事が決まらないが脅されるとすんなり進む日本風土、乞食はいない、値切りはしない、混浴の風土など興味は尽きない。

特に面白かったのは、サム・パッチ(Some Patch)という日本人の話だ。仙太郎という男が漂流していたので助けて日本に連れ帰ったのだが、彼が処罰を恐れて船を降りようとしない。それを保護するのだが、彼の名は沢山の心配(Some shinPai→Patch)から付けたというから可笑しい。読んでいて、今も昔と同じだ!と思えてくる一冊だ。

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