Saturday 21 February 2015

ウクライナのロシア人

ウクライナで停戦合意が成された。連日の報道では武力衝突の話ばかり報じられるが、親ロシアと呼ばれる人達は何故戦うのかだろうか?私はウクライナに行った事もなければ現地の事情も知らない。ただバルトの国に住んでいた経験から、旧ソ連圏の独立は容易に想像できる。

旧ソ連圏の国が独立すると、まず不動産の立ち退きが始まる。新政府が昔の戸籍を調べ、本来の所有者の末裔になる孫、ひ孫を探して手紙を出す。多くは国外に住んでいる人々だが、彼らはある日「貴方は誰々さんの末裔なので、家屋継承の権利があります」という手紙を受け取る。一方昨日まで住んでいたロシア人は、当然出て行かねばならない。ただ祖父の時代に余勢をかって無法に占拠したとはいえ、何世代も住んでいる正に自分の家である。その唐突さが割り切れない感情に発展する。

それから言語である。独立すると公用語はウクライナ語になる。すると学校、職場など公の場所の言語は今までのロシア語から一変する。就職でもウクライナ語の試験が導入されるように、悉くロシア語は排除される。するとロシア語しか話せない人達はどうなるのだろう?仕事に就けないばかりか社会から疎外されていく。

「だったらロシアに帰ればいいじゃない」と思うが、帰っても仕事はないし第一今更見も知らぬ外国に行きたくもないのが実情だ。そうなると居座り続ける、それが無国籍者(Nationless people)になっていく。バルトのラトビアなんて4人に1人は無国籍者である。この解決には歴史の時計を巻き戻さねばならない。だから難しく特にロシアが及び腰になっている。マスコミはその辺の話をもっと伝えて欲しい。

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