Monday 26 March 2018

イエローストーンのYou!

そのグランドキャニオンから、イエローストーン国立公園に向かった。途中、ロッキー山脈の荒々しい自然は迫力があった。イエローストーン公園はルーズベルトロッジに泊り、定期的に湧き出る間欠泉や、マンモスホットスプリングを楽しんだ。

公園内は勿論ヒッチハイクである。ただそこには沢山の競合者がいた。当時はヒッピーと称するベトナム反戦の若者達だった。髪が長く汚い格好がトレードマークで、車線の道路沿いには、多くのヒッピーが親指を立てて車を待っていた。その競争率は大変なものだったが、ある時止まった車があった。「俺か?」と思って誰もが殺到した、その時だった。車の中から「You!!」と自身にご指名があったのである。早速車に乗り込むと、中年の男女の女性は日本人だった。それで納得したのであるが、その人はワシントンDCに住む教授夫妻だった。

奥さんは長崎の十六番館の末裔、ご主人はMITのマンデル教授であった。話をしていると、幸運なことに教授は自身の大学の客員教授だった事も幸いした。それからワシントンDCの御宅に数日お世話になり、我が子のように可愛がってもらった。彼方此方のパーティーにも連れて行って貰い、アメリカの文化を垣間見る機会も頂いた。その後教授が母校の教鞭を取りに来日した。その時山王ホテルで再開した時は、不思議な運命を感じだ。奥さんがどうして長崎を捨ててアメリカに渡ったのか?未だにそれは謎であるが、グラバー邸のエピソードと相まって、以来ずっと気になっているのである。

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