Saturday 3 March 2018

シューマンの身投げ

久々にル・ポアン誌の「今日は何の日(c'est arrive ‘aujourd'hui)」を読むと、1854年の2月27日は、作曲家のシューマンがライン川に飛び込んだ日だったという。精神の異常を苦に身投げしたようだが、幸い近くにいた人に助けられ一命と取り留めた。

最近、評論家の西部邁さんがやはり多摩川で同じような事故があっただけに、何故か目に留まった。シューマンは(一説には梅毒と言われているが)、長らく原因不明の病に侵されていた。彼に寄り添ったのは妻クララだった。その献身的な姿に心を魅かれたのは僚友ブラームスであった。余談だが、彼が一生独身だったのも、そのクララへの想いがあった話は有名である。そして、その西部さんも体の病を苦にしていたと新聞に出ていた。特に西部さんは論客だったので、影響された人も多かった。テレビで自民党の高村さんなども、「言論は無意味だ」を意味不明に呟いていたのが印象的だった。

太宰治やレ・ミゼラブルのジャベール警部もいた。場所はパリのセーヌ川、ただこちらは健康問題ではなく、信念が慈悲に負けてしまった。映画「素晴らしき哉、人生(原題:It`s A Wonderful Life)」では、主人公が橋から飛び込もうとすると天使が救ってくれる。天使は彼に、「貴方がこの世にいたからこそ、他の人達の人生も素晴らしいものになっていた」事を諭す。それを知った主人公は、生きる喜びに気が付つくのであった。ただこんなケースは稀だけど・・・。

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