Monday 25 November 2019

ナポレオンの童貞

久しぶりにル・ポアン誌の「今日は何の日(C'est arrivé aujourd'hui)」を覗いてみた。日本のラジオ番組にも同じようなタイトルの番組があるが、流石フランスとなるとユニークで人間味が違う。例えば今日の11月25日は、1763年に有名な歌劇「マノンレスコー」の作者であるl'abbé Prévostが死んだ日であった。ただ彼は駆け付けた外科医に、まだ生きていたにも拘わらず、検視の為に腹部を切られた事が死因になった。マノンレスコーと言えば、男達を破滅させる悪女の物語である。ロマンチックな作品とは裏腹に、悲惨な最後だった。

また昨日の11月24日は、1971年にアメリカで飛行機の乗っ取り犯がジェット機からパラシュートで脱出した日とか、11月23日は、1829年にフランスで胴体が1つの双子が死んだ日という。関心を誘ったのは、11月22日は、1787年にナポレオンが18歳で童貞を失った日と言う。

場所はパリのパレ・ロワイヤルで、雨の降る寒い日に娼婦に捧げたという。パレ・ロワイヤルはオペラ通りの終点に位置する。昔から怪しげな場所で、鹿島茂の「娼婦の館」や「薩摩治郎八伝」にもこの手の話が出て来た。この建物の裏には大きな庭がある。ある時日本から来た人を案内して連れて行った事があった。庭の噴水の前で彼と写真を撮ろうと、近くに居た女性にシャッターを頼んだ。ところが言葉が通じなかったのだろうか?「いいわよ!」と彼女が噴水の前でポーズを決めて来た。「いやいや、そういう訳じゃなくて・・」と誤り、写真を撮って貰ったが、後から考えると、その誤解のままにしておいた方が良かったと反省した。ともあれここは、今でも出会いの場所の面影が残っている。

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