Wednesday, 2 June 2021

「荒鷲の要塞」ロケ地

巣籠生活も2年目に入った。その暇つぶしの一つで、今年は嘗て愛読したアリステア・マクリーン(Alistair MacLean)を極めようと何冊か買い込んだ。彼は戦争・冒険小説のフィクション作家である。戦争をノンフィクションにするとニュースになってしまうのでちっとも面白くないが、彼はそれを想像力逞しく物語にする天才である。という事で、まず「荒鷲の要塞(Where Eagles Dare)」から始めた。この作品は映画の方が有名で、リチャード・バートンとクリント・イーストウッド演じるスパイが、ドイツの古城から同胞を救出するハラハラドキドキの作品である。二重三重のエージェントの工作に読者も翻弄させられ何度見ても飽きないが、改めて本に触れてみた。

まずその古城であるが、小説ではSchloss Adlerと言っていたが、実際はザルツブルグ近郊のHohenwerfen城だと分かった。確かにネットの写真を見ると岩に張り付いた中世の古城でその面影が残っていた。麓のWerfen村は女性エージェントと出会う居酒屋や、逃走用のバスのシーンが出て来る如何にもアルプスらしい村であった。更にここはサウンド・オブ・ミュージックのドレミの歌の舞台にも使われた事が分かった。これは大発見で確かに見ると良く似ていた。 Werfen村の近くにはヒットラーの山荘ベルヒステスガーデンがある。二度も行ったのに、こちらは気が付かなかった。

また城に向かうスリル満点のケーブルカーは、やはりザルツブルグからザルツガンマーグードを東に行ったFeuerkogel山だと分かった。何処かで聞いた名前だな?と思っていたら、3年前に泊まった湖畔の世界遺産の町ハルシュタットの山だった。分かっていれば寄ったのに!と、これも後悔した。実はその撮影場所はドイツ最高峰のツークシュピッツではないかと長らく思っていた。ロープーウェーの駅から眺める景色がそっくりだったからである。以前同僚を連れて登った時、その蘊蓄を話したのが間違えだったと分かった。因みに小説ではドイツ第二の山Weißspitzeと架空の設定になっていた。

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