オリンピックが始まろうとしている。日増しに高まる期待と不安だが、日本製ワクチンはいつになったら出来るのだろう?そんな中、福島旅行のご縁で野口英世の逸話を知った。彼はアフリカの活躍が有名だが、実は南米エクアドルの黄熱病で開発した野口ワクチンの方がよっぽど貢献度が高かった事が分かった。ロックフェラー財団に勤めていた42歳の時、エクアドル政府に招聘されわずか9日でワクチンを開発し、黄熱病の猛威を絶ったという。その時政府から贈呈された名誉大佐の軍服が記念館に飾られていた。100年前に僅か9日でしかも一人で出来た技に、今の医療の不甲斐なさを痛感したのであった。
野口英世は黄熱病も沙流事ながら、梅毒病のスピロヘータの純粋培養にも始めて成功したという。当時の欧米ではこちらの方で病んでいた人が多く、シューマン、シューベルト、スメタナ、ハイネ、ニーチェ、マネ、ボーボワール、ゴーギャンなども罹っていたようだ。何度もノーベル賞候補になった訳も頷けた。また農家の出で大学も出ていない彼が医師試験には合格したが、どうしてアメリカの研究所に行けたのか疑問が残った。記念館ではその説明がなかったが、その理由も後で分かった。それ結婚する気もなかった婚約者から貰った持参金を渡航費に充てたのであった。彼が名を馳せてからパトロンが清算したオチも付いて、当時の様子が伝わってくる裏話だった。
野口英世というと、今まで1000円札の都市伝説しか関心がなかった。確かに1000円札の顔は右と左では全く別人のようだし、裏から透かして見ると富士山頂に目が重なり、それは1㌦紙幣のプロビデンスの目のデザインと似ていた。ロックフェラーもネオコンの元凶だし、強ち無関係ではないと思う。しかしこうして少し彼の研究者としての姿勢を知るにつけ、あの大きな目は毎日顕微鏡を覗き続けたせいかも知れないと思えて来た。直に触れると少し見方も変わってくる。
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