Sunday 29 March 2020

ベルガモの町

コロナで在宅勤務が続いているから、会社を訪れてもガランとしている。必要最低限に人が出勤して、挨拶を済ませると別室に引き揚げてしまう。後は部屋を隔てて電話でやり取りする、何とも不自然な光景である。会社に行く時も、用心深い人は電車を避けてレンタル自転車を使う。アルコール消毒もたっぷり液を付け、乾かせずに30秒手を擦るのがコツらしい。東京でもこれ以上感染が広まれば、アメリカやヨーロッパのようにロックアウトの事態になる。何とか食い止めて欲しいが・・・。

ところで、イタリアでは感染者が8万人を超え、死者も1万人に達しようとしている。世界の死者が3万人だから、1/3を占めるのはやはり異常である。中でも北のロンバルディア州に集中していると言う。中国系との関りが多かったらしいが、イタリアの中国人は30万人、日本の60万人と比べると左程多くないのにどうしてなのかと思う。10年程前にその中心地ミラノに行った事があった。モダンなブティック店の尻目に、路上にはパリやロンドンでは見られない乞食が居た。終日祈りを捧げるような膝をついて物乞いする姿は、ロマの職業とは言え直視出来なかった。またドォーモの広場には、沢山のアフリカ人が土産物を売っていた。こうした人々を抱える町の事情も、感染と関係しているのかも知れない。

ミラノにLCCで行くと、50Km程離れたベルガモ(Bergamo)空港に降ろされる。そこから電車に移動するのだが、今回そのベルガモがイタリア最大の感染地と云う。ミシュラン2つ星の観光地で、駅から続く道の先には、ローマ時代の城壁に囲まれた町が聳えている。ケーブルカーで登り、ピザを食べながら狭い石畳を歩くと中世にタイムスリップした気分になる。帰り際、パブ仲間に頼まれたサラミを買って帰った。サラミは当地の名産物で味が濃い。その町が、大変な事になっている。

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