Sunday 15 March 2020

関電と助役の便宜

関電の役員が、福井県高浜町の助役から金銭を受領した。その調査結果が出て、関電役員75人が3億6千万を受け取ったという。中には金銭だけでなく、洋服の仕立券やゴールドもあった。「原子力で私腹を肥やしてケシカラン!」と人は思う。電力会社は地方の王様で、その取引額は桁違いに大きいから尚更である。関連会社も含めると地元では足を向けて寝れない会社であるし、地方の国立大学を卒業して就職すればエリートコースの定番だから妬みもある。
 
その電力会社だが、若い頃某電力を担当していた事がある。午後になると、黒塗りの社用車で小切手を取りに行くのが仕事だった。小さな小切手には億円単位の数字が並んでいたから、どんなにどぶ板をやっても集められる額ではなかった。大事な仕事の一つは部長、課長さんの接待だった。やたらに同業他社が多いので順番待ちが続き、やっと日にちが決まっても2カ月先がやっとだった。そして当日、最高級の料亭で会食を用意し、当時は麻雀に移るのが流れだった。私は麻雀が出来ないので、後ろに控えていて上がりの度に景品を差し出す役目だった。当然、お客さんは勝つようになっているから、ドンドン用意していた高価な景品を渡した。終わると玄関に黒塗りの車が待っていてお送りする。勿論そんな接待は序の口で、ゴルフや海外出張のアテンドなど際限くエスカレートして行った。そうしないと、競争に勝てない時代だった。

だから電力会社の人は、便宜を受けるのに慣れている。今回の発覚もそうだが、関電高浜は氷山の一角で、他の電力会社でも叩けば埃はドンドン出る類の話である。それが東北大震災を契機に一変してしまった。綺麗事を後から並べるのは易しいが、持ちつ持たれつの日本経済が成長して来た事を思うと、この話はこの辺で終わりにしていい気がする。

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