Wednesday, 27 October 2021

ショパンとポーランド

今年のショパンコンクールで、日本人の男女が2位と4位に入賞して話題になった。特に2位は内田光子以来51年振りというから快挙であった。ただ我々の世代で思い出すのは何と言っても中村紘子さんである。彼女は確か4位だったか、幼稚舎出身の育ちの良さと美貌で一躍有名になった。

更に押し上げたのが庄司薫氏との結婚だった。 庄司氏は東大出の作家、当時ベストセラーになった「赤頭巾ちゃん気を付けて」が一世を風靡した。ところが彼はその後全く筆が止まってしまい、世間から忘れられた人になってしまった。一体生活はどうしていたのだろう?ひょっとして中村さんに食べさせて貰っていたのかだろうか?その中村さんも随分前にお亡くなりになってしまった。作家は職業人生が長いように思っていたが、一発屋のようで何か哀れに思えてくる。

そのショパンであるが、ポーランドに行くとワルシャワの空港名から紙幣の絵柄まで、町おこしのシンボルになっている。正に国の宝であるが、そんな彼は21歳の時にパリに移っているから、過ごしたのは若い時だけである。

以降は肺結核を患い、リストの娘で後のワーグナーの妻になるコジマと付き合った。ただ二人の関係は喧嘩ばかりしていたようで、寒いパリを離れで過ごしたマヨルカ島でもそれは続いたと、何かで読んだ記憶がある。

ショパンとは、ポーランドの生家とパリのペール・ラシェーズのお墓を訪れて以来、線が繋がったようで身近な気分になっている。ただ荒涼としたポーランドの大地からどうしてあんなインスピレーションが生まれたのか、恵まれなかった私生活からどうしてあんなリズミカルで甘い旋律が生まれたのか、未だに良く分からない。

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