Friday 20 October 2017

アルバトロスの話

吉村昭氏の「漂流」では、よくアホウドリが出て来る。アホウドリは、12年間孤島に生き延びた男の島で唯一の食糧源だった。来る日も来る日も生のアホウドリを取って食べ続けた。アホウドリはその名の如く、簡単に捕まえることが出来るらしい。ただ人によっては暫くして足腰が立たなくなる病気に犯されるいう。ともあれ、これを覚えておくと無人島で生きることが出来る。

そのアホウドリだが、「80日間世界一周」の作者、ジュンヌ・ベルンの「征服者ロビュール(原題:Robur Le Conquerant)」にも出て来る。主人公の乗る飛行船の名前がアホウドリ号である。物語は、エンジン付きに飛行船で世界一周し、日本も江戸の上空も通過する。書かれたのは1886年で日本では戊辰戦争の頃だった。その年は本当に江戸だったのだろうか?と調べてみると、何と1886年に江戸から東京に名称変更が成された。ベルヌの記載は正しかったことになる。因みに、(解説にもあるが)ライト兄弟の飛行成功が1903年だから、空想とは言え著者の先見性は凄かった。

そのアホウドリだが、英語はアルバトロス(Albatross)である。今ではすっかりゴルフ用語である。そう言えばバーディ(Bardie)やイーグル(Eagle)も鳥に因んだ言葉である。ベルンの飛行船がどうしてアホウドリ号なのか、またどうしてゴルフと鳥なのか、どちらもよく分からない。

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