Monday 30 October 2017

サンドラを思い出し

そのカタルーニャは、地中海を隔ててフランスの南部ピレネー・ルシヨン州と国境を隔てている。ピレネーはフランスとスペインの国境の山岳地帯で、多くの中世の村が残っている旅の宝庫である。有名なのはあのカルカソンヌの城塞である。「カルカソンヌを見ずして死ぬことなかれ」と言われているように、ほぼ完璧な中世が保存されている。近くにはロートレックの故郷のトゥールーズもある。近年は英仏で開発した音速ジェット機コンコルドの縁から、英国人が移り住んでいる。ただ所詮山の中の寂しい町である。ロートレックがパリに出て行ったのも頷ける。

そのピレネーだが、海岸線はもう少し華やかだ。コートダジュールからプロヴァンス地方を経て、バルセロナに抜ける美しい海岸線である。随分前だが日本で知り合った放送作家のフランス人がいた。日本のオタクやアニメなど独特の文化を映像にしていた。その彼がピレネー海岸線のコリウールが美しいと教えてくれた。だったらばと訪れた事があった。プロヴァンスの闘牛で有名なニームから車で2~3時間、眩しい湾に佇む絵のような港町であった。

そこから暫く南下するとスペイン国境のカタルーニャで首都のバルセルナに着く。国境が無ければフランスと何ら変わりない風景である。その昔、部下にサンドラという名前の女性がいた。スペイン人だったが、両親は彼女を産む前日に越境しフランスの病院で生んだ。そのため彼女はフランス国籍を取り、フランス人としてパリで会計の仕事をし始めた。今から思えばカタルーニャの人だったのだろうか?体形は太めで濃い睫毛、兎に角陽気で良く喋った。ひょんな事で彼女を思い出した。

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