Thursday 5 October 2017

カズオ・イシグロの受賞

先程、今年のノーベル文学賞が発表され、カズオ・イシグロ氏が受賞した。有名な人とは知っていたが、ジャンルが違ったせいもあり、今まであまり関心は無かった。ところが数年前だったか、ロンドンの町を歩いていた時、とあるイギリス人から「イシグロは素晴らしい!」と言われ、バックの中から本を取り出し見せられたことがあった。見知らぬ人だったので、何か下心があるのでは?と勘ぐったが、どうやら純粋に日本人に気持ちを伝えたかったと後で分かった。

それから、代表作の「The Remains of the Day(翻訳:日の名残り)」を読んでみた。確かイギリスの執事が語る物語だったが、何かかったるくもどかしかった記憶がある。ただ物語の中に、ドイツの英国大使リッペントロップが登場する場面だけはハッとした。リッペントロップは、あの1939年の独ソ不可侵条約の立役者である。戦争が始まる前は、一外交官としてイギリスに駐在していた。

本はその頃の英国の上流社会を辿っていたが、それ以外は掴み処がなかった。日本語でなく英語で読んだ方がニュワンスが伝わって来るのかも知れない。

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