Tuesday 14 July 2020

咲花温泉の川音

ゴーゴーと川の流れる音を聞きながら眠るのは、初めてだと少し寝付きが悪くなる。新潟県の咲花温泉に泊まった時、前を流れる阿賀野川の水量に圧倒された。

咲花温泉は新潟駅から磐越西線に揺られること1時間弱、数件の宿が立ち並ぶ鄙びた温泉郷である。秋になると稲穂の茶色をバックに、柿の実の赤が映える田舎景色が何とも美しい一帯である。関東では見られない日本の懐かしい風景が続き、いつまで眺めても飽きない。そのまま下車しないで内陸に向かうと、会津の喜多方に出る。遠回りしてラーメンを食べて帰る旅行者も多いという。

その咲花温泉に彼是10数年前だったか、シンガポール人のYと泊まった。Yは温泉が初めてだというので、入湯の流儀を教えた。湯に浸かる前に湯で洗い清めろ、湯の中では泳ぐな、手拭いでさり気なく隠せ等々、Yは言われた通りにやっていた。風呂から上がり、冷えた地元の麒麟山を飲んだ。ひと風呂浴びて歓談するのは万国共通でいいものだ。そんな一夜を思い出した。

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