Thursday 14 March 2024

WCMの時代

来週は日銀会合がある。長らく続いた金融緩和もそろそろ終わりに近づいている。春闘の賃上げが大企業では上手く行っているようだが問題は中小だ。末端まで行き渡って初めてその準備が整う。何とか種火に火がついて欲しいと願っているが、日銀のかじ取りが気になる。

今の若い人は低金利の時代が長いから、金利には余り関心がないのかも知れない。ただ金利が上がってくると、個人資産や企業収益に直結するので見方も変わるだろう。昔は如何に金利の低いカネを調達して高金利で運用するか、金利には敏感でこのテーマの研修も多かった。

 思い出すのはWCM(運転資本マネージメント)である。運転資本は売上債権や在庫と仕入債務の差額である。当時のビジネススクールで流行った手法らしく、この+が大きければ資金余剰に繋がった。

中でも注目されたのが、負債で大きな部分を占める買掛金だった。買掛金の回転期間を長くして回転率を下げれば、その分手元資金の運用に多く廻せた。勿論取引慣習や仕入れ先の事情もあるが、これは未払金も同じであった。仕入先にどう交渉するか、結論はそう簡単に出るものではなかったが。

逆に売掛金は、回収期間を短くし回転率を上げればいい。その分手元資金が多くなり、金利収入が増える。販売先に毎日担当者が日参するとか、それも美人なら相手も軟化するかも?など、冗談も交えて真面目に議論した日が懐かしい。

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