Monday 16 May 2011

エストニアの地ビール

エストニアの代表的なビールといえばSakuと A Le Coqがある。確かに地元ではあるが、調べてみると資本はどちらも外国のビール会社が握っている。純粋な地ビールはないことが分かり、ちょっとがっかりした。

Sakuビールは1991年Carlsberg(デンマーク)の傘下にある Baltic Beverage Holding(BBH)に買収されている。BBHは登記上はノルウェーの会社であるが、ラトビア、リトアニア、ロシア、ウクライナ、カザフスタンなどのバルトと旧ソ連のビール会社を束ねた大きな会社だ。エストニアは昔殆どの人がロシアの農奴だった。その農奴制が開放された1820年、産業育成を願って地元のドイツ人が起こしたのがこのSakuビールだった。それを思うと何か時代の変遷を感じる。因みにBBHはリトアニアでUtenosとかSuyturysの名前で出している。先日、リトアニア旅行をした際にこのSuyturysを飲んでみた。飲み易くチェコビールに似ていた。同国はポーランドと関係が深かったので、味も東欧的なのかも知れない。また同グループにロシア産のBaltikaというビールがあるが、2Lで200円程度と極めて安い。不味いかと思うとそうでもなく、節約したい時には助かる。
もうひとつのA Le Coqであるが、これも1997年にフィンランドの大手飲料メーカーOLVIが買収した。Sakuに比べるとまだ旨いし、何と言っても瓶が美しい。こちらも各国に兄弟ビールがあり、先のリトアニアではRagutis, ラトビアではCesa、ベラルーシではLidshoeという。因みにエストニアの醸造所はエストニア第2の学園都市Turtuというところにある。同市はスウェーデン統治下の1632年、エストニアで最初に出来た大学町である。タリンから車で200Km、次回行った時に試飲に拠ってみようと思っている。

原産地と資本、ヨーロッパの関係は複雑でそれ自体が国の歴史なのかも知れない。そういえば食品だけでなく、ここはやたらに北欧資本が多い。そんなことを尻目に今日もグラスを傾ける私なのでした。

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