Thursday 26 May 2011

タリンの町


私の住んでいるエストニアは人口130万人の小さな国です。面積も九州程度です。長らくソ連の支配下にありましたが、1991年に独立し今日に至っています。首都はタリンといって中世の趣を残すシックな街で、世界遺産にもなっています。元々は14世紀にハンザ同盟で栄えましたが、長らく歴史の外に置かれていました。それが世界に知れ渡るようになったのは、1980年のモスクワオリンピックでヨット会場になってからです。今年は独立20周年ということもあり、ヨーロッパの文化都市に指定されたり、観光客も急増しています。

2010年のヨーロッパ旅行白書によると、エストニアは前年に対し13%の観光客が増え、これはラトビア、マルタに付いて欧州第3位の伸びでした。特に宿泊地としては欧州で最も伸びた国でした。ことタリンはヨーロッパ広しといえど、これだけ中世の雰囲気を残しているところは希少です。人々は静かな中世の街で、ローソクの明かりの下、中世音楽を聴きながら、自分たちのルーツに触れるのです。

来訪者の多くは、近隣のフィンランド、スウェーデン、そしてロシア、ウクライナなど旧ソ連からです。2011年になってもこの傾向は変わらず、5/10付のBaltic course誌では第1四半期の観光客の45%がフィンランド、20%がロシアからと伝えています。因みに日本人で宿泊する人は年間7,000人程度です。余談ですが、ドイツ人・フランス人・英国人も来ますが、今彼らに人気が高いのはモンテネグロです。007の映画「 Casino Royale」の影響でしょうか?そしてオランダ人はセルビア, イタリア人はマルタが好きなようです。日本人が昨年多かった国ベスト3は、キプロス, スペイン, モンテネグロとのことです。ローマ、パリといった定番に飽きたシニアが穴場を目指したのでしょうか?

なお2011年のタリンは、BBCの「欧州冬の都市」に、旅行サイトの7つの冒険旅行地の1つにも選ばれています。

まだバルト3国に来られたことのない方は、是非一度訪れてみてください。

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