Tuesday 17 May 2011

シャラポアとチェルノブイル

先週末、ローマで行われたイタリアンオープンテニス女子シングルスで、久々にシャラポアが優勝した。決勝戦の相手はオーストラリアのストーサーであったが、準決勝のボツニアッキ戦を制したのが大きかったように思う。今回は見ていてサービス、ストロークが安定していて、要所での振り抜きが良く決まった。

シャラポアは今年24歳、テニス界の妖精と称され2004年に若くしてウィンブルドンを制して一躍トップに躍り出た。両親はベラルーシ人であるが、1986年のチェルノブイル原発事故の影響で故郷を捨てロシアに避難した翌年、彼女は生まれる。だからロシア国籍である。ソ連出身の米国女子プレーヤー、ナブラチロアに見出され、父とアメリカに渡った時にはポケットに100ドルもなかった話は有名である。正に原発事故が生んだシンデレラ物語である。

一方負けはしたが、現在女子のNo1は依然デンマークのボツニアッキである。ずば抜けた才能はないが、ストロークと安定感と運動量の豊富さが武器だ。元サッカー選手のお父さんがいつも一緒についている。しかし何と言ってもそのルックスのせいか、TVの放映回数は圧倒的に多い。テニスライブは2回に1回は彼女の試合といってもいい。またトルコ航空のコマーシャルにも頻繁に登場する。テニスマッチの休憩時にファーストクラスの席でリラックスする、審判もその食事を頂いているうちに勝ってしまうというストーリーである。


ともあれテニスシーズンはこれから本格化する。今週末からパリでローランギャロスが開幕、来月のウィンブルドンへと続く。新緑、赤土、強い日差し、そして鍛えに抜かれた選手のプレーにファンには落ち着かない季節が始まる。

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