Thursday 3 January 2019

人工レンズの世界

以前、人間ドックで軽い白内障が指摘された。眼科に行くと、「老化だから仕方がないですね」と言われた。医者は、「直すには手術しかないです」といとも簡単に言うが、目にメスが入る事を考えるとゾッとした。そんな時、テニス倶楽部のIさんが手術をしたというので聞いてみた。Iさんは80歳を超える長老だが、手術を切っ掛けに視力が抜群に回復したという。こちらの心配を他所に、「手術は10分程で終わるし全然痛くないよ!家のゴミが良く見えるので、家内に煩がられているけどね・・・」と励ましてくれた。他にも手術を受けた人が居て、同じような感想だった。そんな先人に勇気付けられ、年末に某病院で手術を受けることにした。

手術は日帰りでも良かったが、術後のばい菌防止が大事と聞き入院した。当日の朝、術衣に着替え、看護婦が押す車椅子で手術台に向かった時は流石緊張した。心電計の音が聞こえ、酸素吸入器と血圧計が付けられた。麻酔は目薬だけだったせいか、医者が雑談が近くで聴こえ、何とも言えぬ不安な気持になった。後で看護婦に聞くと、普段110程度の血圧がその瞬間180を超えたという。

手術は濁った水晶体を取り出し、中に多焦点の人工レンズを入れるものだった。終わって眼帯を取ると今まで見た事も無かった世界が拡がった。特に遠くの景色がハッキリ見え、何より明るさが違った。今まで白熱灯だったのが蛍光色に代わったような、何より空の青さが際立った。2週間してゴルフの練習場に行った。飛んで行くボールが目で追えた時は感動モノだった。ハイビジョンの視界は、又何かにチャレンジしてみたくなる気にさせる。改めて現代の医療技術に感謝している毎日だ。

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