Thursday 7 March 2019

バチカンの秘密文書

バチカンが第二次大戦時の秘密文書を公開するという。ホロコーストに対し、在籍していたピウス12世がどう関与したか、その手掛かりになるという。終わった事とは言え、世界に13億人の信者を抱えるカソリックの総本山、祈りを捧げる一方で大量殺人を進めていた事になれば大変である。

カルビ事件の伏線となったパウロ1世が、在位1カ月で謎の死を遂げた事件があった。折角なので、バチカンを知るいい機会かと思い、当時ベストセラーになったジョン・コーンウェル著「バチカンミステリー(原題:A Thief In The Night, The Death Of Pope I)」を読んでみた。他殺か自然死か、調査の結論は後者だという。散々興味を誘っただけに、これにはちょっとガッカリした。ただ神に仕える枢機卿でも、酒や煙草は嗜むしゴルフもする、普通の人と大して変わらないというのが良く分かった。法王が亡くなっていたのを最初に発見したのは修道女だった。しかし法王の寝室に女が出入りした事に成れば、神聖なイメージが損なわれてしまう。そのため当初は秘書の男性にすり替えたようだ。どこも組織を維持するは大変だ。

バチカンと言えど所詮は宗教団体である。昔、伊丹十三の「マルサの女」にやはり怪しげな宗教団体が出て来た。三国連太郎の演技が光った作品だったが、宗教にカネが絡むと似たような光景が生まれるものだ。実はカルビ事件や法王の死には、もう一人の主役がいた。それはフリーメイソンである。次はその暗部を描いたローシャの「P2(原題:La Muerte Del Papa)」を読んでみようと思っている。

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