Tuesday 25 June 2019

山本五十六の墓参り

昔の映画だが、「連合艦隊司令長官 山本五十六」は味のある作品である。三船敏郎が扮する長官役は威厳があり、暫く前に演じた役所広司とは雲泥の差である。加治川下りの船頭から「お客さん、越後の方かね?」と声を掛けられるシーンから始まるが、長閑な時代の日本が何とも懐かしい。そんな山本という軍人はどんな人だったのだろ?特に今回、アメリカの博物館に行くと、東条と彼は歴史のキーマンとして必ず出て来たので、今更だが気になった。そこで一度その足跡を辿ってみることにした。

まず訪れたのは、長岡の山本五十六記念館である。今では東京から新幹線で2時間程で行ける。小さな記念館だったが、彼の遺品がいくつか展示してあった。何より子供の時から字が綺麗なのに驚いた。記念館の近くには生家が再建されていた。入ると、小さな木造の2階で勉強した様子が少し伝わって来た。海軍兵学校は2番で入ったというので秀才だった。その後もハーバード大留学やロンドン軍縮交渉に携わるなど順調に昇進し、太平洋戦争の時に海軍の司令長官になった。しかしもしあの時、司令長官が他の人だったらどうなっていたのだろう?真珠湾攻撃が無かったら、アメリカの参戦もなかったかも?本当に真珠湾攻撃と早期講和の筋書きは正しい判断だったのだろうか?特に彼は当時は欧米を知る数少ない国際派だけに、その自負心が大き過ぎた事は無かっただろうか?恐れ多くも、色々な事が頭を過った。

最後に多磨霊園のお墓を訪れた。多くの有名人が眠る墓地にあって、隣の東郷平八郎とその墓の大きさは別格だった。それにしても、開戦から1年半も経たないで戦死されたのは早過ぎた。運命の巡り合わせに思いを馳せ、暫し手を合わせた。今では昔の人になった寂しさに、聞こえてくるのは雨の音だった。

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