昔から偉人のお墓参りを趣味にしている。会った事もない雲の上の人が、お墓に行くと等身大で身近な人になるからである。それはとても不思議な感覚で、生家と組み合わせるともっと親近感が増す。今回も、アーリントン墓地に眠るJFKこと、ケネディー元大統領のお墓参りに行った。
アーリントン墓地はメモリアルデーの前後だったので、もの凄い人でごった返していた。受付で手荷物検査を済ませ、トロリーと呼ばれるガイド付きの電動カートに分乗して移動するのだが、それも長い列を作っていた。カートがJFKのお墓に着くと、小高い丘の下にジャクリーン夫人と2人の子供の墓碑があった。子供は確か飛行機事故で亡くなったジョンだけかと思っていたが、二日間だけ生きたもう一人の息子がいたようだ。何年か前にダラスの暗殺現場を訪れた時の記憶も蘇り、その謎めいた事件が頭を過った。あの時、血に染まったシャネルのドレスを着てジョンソン大統領就任に立ち合い、富豪オナシスと再婚したジャクリーヌ夫人だったが、最後はこうしてJFKと並んで眠っていた。暫し手を合わせご冥福を祈った。少し離れた処に弟のロバートとエドワード、そしてお父さんのジョゼフので白い十字架を見つけた。ケネディー家はアーリントンでも別格な扱いだった。
先のトロリーは墓地ツアーと謳っており、神聖な場所だが列記とした観光地である事が伺える。渡された地図にはHonor,Remember,Explorerと書いてあった。「敬意を持って記憶に留め故人を探索しなさい」という意味になるのだろうか?その感覚はとてもアメリカ的であった。以前、和歌山の高野山に行った時も外人観光客が多かったが、何か深山霊場を勝手に闊歩されると汚される気分になった。それに対し、ここはもっとどんどん知って欲しい!そんなメッセージが伝わって来た。それは多民族と単一民族の違いだろうか?故人の扱いもお国柄を反映していた。
No comments:
Post a Comment