Sunday 9 June 2019

ゲティスバーグの古戦場

以前、岐阜の関ヶ原を訪れた時だった。現地の解説に、(関ヶ原は)世界3大古戦場と書いてあった。何でも3つにする日本人好みの趣向だが、残りの2つは、ナポレオンが負けたワーテルローとアメリカのゲティスバーグであった。ベルギーのワーテルローには行ったが、そう言えばゲティスバーグには行っていなかったと、以来気になっていた。そこで今回、ワシントンDCの郊外の現地に足を伸ばすことにした。

ゲティスバークは、ワシントンDCから車で2時間程の場所にあった。案内書には朝6時から開いていると書いてあり、行ってみてその訳が分かった。広大な牧草地の所々に各州が建てた慰霊碑と大砲があるだけの、無人の荒野であった。車でそこを素通りするのだが、良く保護されている様子が伝わってきた。改めて南北戦争(英語では内戦を指すCivil Warを使っていた)を見ると、戦争は3年も続いたようだが、その雌雄を決したゲティスバーグの戦いは僅か3日間であった。

早速ビジターセンターで登録を済ませ、周遊のバスツアーに参加した。ガイドの大男が、「この中に兵役に就いた人はいますか?」と聞くと、何人かが手を上げた。メモリアルデーの前後だった事もあり、彼らに乗客から一斉に拍手が上がった。バスは2時間程周遊し、北軍が陣取った高台で降りると誰かが葬送ラッパを吹き始めた。皆んな無言で直立し鎮魂する姿は慰霊地だった。南北戦争は奴隷制の是非を問うせめぎ合いで、それは労働集約的な南部と工業化で労働者を必要とする北部の経済戦争でもあった。その流れが民主党と共和党の原点になっているというから、歴史の勉強にもなった。戦いは1863年7月で、日本では幕末の嵐が吹き荒れていた頃だった。

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