Monday 10 June 2019

ノーフォークの軍港

ワシントンDCから南に車を走らせると、スタットフォードという町に南北戦争の戦跡があるというので寄ってみた。行くと森に看板が立っているだけの元駐屯地で、ひと気もなく拍子抜けした。その日は町に泊まり、翌朝気分転換にゴルフをする事にした。アメリカのゴルフ場はいつ行っても空いていて、一人で勝手に廻れてカート付きで3000円程度と安いので気楽だ。その日も近くの倶楽部に行き、スタートしようとすると、一組前にやはり一人でラウンドしようとしている人が居た。「一緒に廻らない?」と聞くと快諾してくれ、聞くと地元の海軍に勤務している黒人だった。暫くして、物凄い音を立てたジェット戦闘機がゴルフ場の上空に飛来した。それも低空を次から次へと、どうやら訓練のようだったが、彼が、「近くにラングレー空軍基地があるからね」と教えてくれた。

その日は、もう少し南に行った世界最大の軍港「ノーフォーク(Norfolk)」を訪れた。対岸のハンプトンから、地下の海底トンネルと長い海上道路で結ばれた天然の要塞で、アメリカ海軍の艦隊司令部やNATOの本部などがある正に海軍の要所であった。軍の施設に入るには、観光客用の特別な周回バスがあると言うので乗ってみると、広大な敷地の奥に空母や巡洋艦などが停泊し、オスプレーの基地も見えた。

市内には、戦艦ウェスコンシンが停泊しているというので見に行った。太平洋戦争で硫黄島などを艦砲射撃し、今は現役を引退して誰でも乗船出来る様になっていた。以前、横須賀で戦艦三笠に乗ったが、やはり大きさが違った。初めて見る戦艦の主砲に驚き、そう云えば日本も沢山持っていたのが今では一隻も残っていない無念さも感じた。甲板では、両親も立ち会った新兵の就任式などのセレモニーが行われていた。こうして直にアメリカ軍の大きさを目にすると、日本の防衛や沖縄なんて、所詮は駒の一つに過ぎない現実に直面するのであった。

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