Monday 7 October 2019

香港のマグマ

香港のデモが益々混迷を深めている。先日は遂に警察官が実弾を使い始めた。撃った警察官も頭から血を流す生々しい映像に、衝突の激しさが伝わってくる。相手が高校生や中学生だと思うと痛々しい。覆面禁止(Mask Ban)の施行も、容疑者の特定が容易になるからそう簡単に収まらないだろう。始めは対岸の火事と見ていた今回の騒動、生存本能に火が付いた事態に不吉なものを感じる。翻れば日本の戦争もそうだった。「石油を止める」と言われれば死んでしまう!人は追い詰められると必死になる。

香港の学生運動は昔から結構活発だった。70年代の初めだったか、交流の一環でHKFS(香港学生連盟)の学生に会った。初めて行った香港は、東西文化が混在するユニークな街だった。人々はファーストネームを英語に代え、英語を流暢に話した。ただ一歩路地裏に入ると、暗く不潔な中国だった。野外のレストランで鳥の唐揚げを食べた時だったか、食べ終わると机の上に残った骨を給仕が路上にバラまくのを見てビックリした。香港の学生は、当時の日本の学生運動が思想対立だったのに対し、現実的で社会の代弁者みたいだった。ただ今回はその域を遥かに超えている。

折しも今年は中国建国70周年の節目である。ソ連が崩壊したのが建国から69年目だったように、70年は制度疲労が出る頃である。ソ連が崩壊した切っ掛けが、チェルノブウイの原発事故だった。まさかそれが社会主義の終焉に繋がるとは、当時誰も想像しなかった。変化は思わぬところに隠れているものだ。香港のマグマが蟻の一穴になるのだろうか?暫く目を離せない。

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