Wednesday, 17 September 2025

ヨーロッパには熊がいない

毎日のように熊による被害が報告されている。山道で遭遇するだけでなく、最近では家のガラスを割って入ってくるそうだ。幸いそんな怖い思いをした事はないが、ヒトとの共存を考えさせられる。

熊の本物と出会った事はないが、グレゴリーペックの「小鹿物語」やディカプリオの「レヴェナント」の映画を見て、代替実感している。特に前者の犬との格闘シーンはどうやって撮ったのか、白黒だけに迫力があった。

そんな矢先、友人のYさんと話していたら、「ヨーロッパには熊がいない」と言う。山歩きを趣味としているYさんは、だから夏になると安心してヨーロッパアルプスのハイキングをするという。

本当かと思って調べてみたが、確かに英国、ドイツ、フランスなどでは絶滅して生息していなかった。ただロシアは国のシンボルだから勿論多いし、北欧にもいるから、正しくは「西ヨーロッパには熊がいない」であった。これは意外だったが、考えてみればサルもそうだった。

日本に来てサルが温泉で寛ぐ姿を見に来るのは、決まってヨーロッパの人である。「何でわざわざそんなサルを?」と思っていたが、サルは熱帯地方の生き物で、ヨーロッパには生息していないようだ。今ではサルは日本の立派な観光資源である。熊も工夫次第によっては、射殺されない第二の人生があるかも知れない。

ところでF・フォーサイスの短編小説に、「アイルランドにヘビはいない」がある。インド人の青年が元上司のアイルランド人に復讐しようと、インドからヘビを持ち込んだ。ヘビの毒牙で復讐には成功するのだが、アイルランドにはヘビが生息しない処から、犯人が分かってしまう話だった。ヘビは何処にでもいるかと思っていたので、これも意外だった。


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