Thursday, 4 September 2025

鴨居玲とラ・マンチャの町

TVの「開運!なんでも鑑定団」は面白い番組だ。時々見ているが、いつも鑑定結果にビックリ意気消沈する喜怒哀楽が、何とも人間臭くていい。作家と作品を巡る蘊蓄も素晴らしく、「改めてお宝を見てみると・・・」の件まで来ると、一つ勉強させてもらった気分になる。

ところで最近、再放送だったらしいが、鴨居玲という画家の作品が出されていた。薄暗い女性を描いた作品で、取得額の300万円に対し1000万円の評価額が付いて会場騒然となった。
鴨は「自分の滅びゆく自画像」をモチーフにする画家という。内面の葛藤は嘸かし激しかったようで、素人が見ても嘸かし迫力ある生き様が伺える。

気になったので調べてみたら、彼は若い頃、スペインのバルデペナス(Valdepenas)で2年に渡りアトリエを構えていた事が分かった。バルデペナスといえばラ・マンチャ地方の町で、この夏に泊まったばかりだった。ただあの太陽が煌々と降り注ぐ土地から、どうしてかくも暗く陰湿な作品を描くようになったのか?こればかりはとても不思議である。

バルデペナスは人口3万人程のワインの町、スペイン屈指のテーブルワインの産地とあって、街に入る街道にはワイン樽がオブジェとして並んでいた。町の中心地には歴史を感じさせるバールがあって、タップから注ぐサングリア風が土地柄を物語っていた。鴨も毎日これを飲んでいたのだろうか。

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