Thursday, 4 December 2025

ヌルハチの骨壺

高市首相の台湾有事の発言で、中国が大きく反発している。台湾は中国の一部、その内政に口を出したのがいけなかったようだ。何か分かったような分からないような、ピンと来ないのが実感である。

習近平の台湾統一への執念はどこから来るのか? 個人的にはかねがね、故宮博物院ではないかと思っている。蒋介石が持ち去った60万点を超えるお宝である。北京にも博物館があるようだが、多分比べ物にならない規模だろう。

権威の象徴はお宝である。逆にお宝な無ければ権威は保てない。例えばそれは、フランスからルーブル美術館を、ロシアからエルミタージュ美術館を、英国から大英博物館を取ってしまう事を想像すれば、容易に理解できる。

お宝がない国は、権威の裏付けがないから不安定になる。今の中国は経済大国かも知れないが、その箔が欲しいのである。

余談だが、バルト三国には国立博物館なるものは一応あるが、ショーケースの中身は殆どないのに驚かされる。ソ連の時代に持って行かれたからである。権威の象徴がない国は心理的に弱く映る。ロシアをして、ウクライナに次いで又取りに行こうとする気にさせるのである。

インディ・ジョーンズの映画「魔宮の伝説」の冒頭に、ヌルハチの骨壺を取り合うシーンが出て来る。ヌルハチは清の初代皇帝である。そんな骨壺に命を賭ける中国マフィアを思い出した。