Sunday 11 December 2011

シシリーのバーにて

地中海に浮かぶシシリー島は、ローマ、ギリシャ、アラブ、そしてアフリカの間に位置している。そのため、古代から多くの外敵が船でやって来た。人々の顔は、そうした長年の混じり合った歴史を物語っている。

コルレオーネ村のような内陸は、やはりローマ時代の名残か西洋的な顔立ちの人が多い。皆、彫りが深く立派だ。田舎でもジャケットとネクタイ姿の老人が多く、イタリアだけあっていい靴を履いている。外で屯うのは男達で、女はあまり見ない。パレルモ(Palermo)などの都市に入ると、白い装束に帽子姿のアラブ人を見る。スラム化した凄い場所に住んでいる。カターニア(Catania)の田舎街道には、昼間から黒人娼婦が立っていたのには驚いた。

パレルモのバーで飲んでいると、地元の人が入れ替わりエスプレッソのコーヒーを飲みにくる。バーの主人と男同士頬すりを交わし、二言三言話しては帰って行く。子供もお菓子を買いに来るが、これも主人が抱擁を交わす。アルコールを飲む人はあまり見ない。言葉は分からないが、皆良くおしゃべりする。シシリーの人は古風で、熱く濃いものを感じる。
 




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