Tuesday 15 July 2014

ジャズ仲間の死

最近、とても心に残る話を聞いた。それはジャズ仲間の話だった。

学生時代のジャズ同好会の仲間が、癌に掛かり余命いくばくとなった。彼は奥さんとアメリカに住んでいた。そんな噂を聞き付けた昔のジャズ仲間が、遥々彼の処に駆け付けることにした。前もって彼のために作った曲を送り、これを一緒に演奏しようと準備した。アメリカに着いた仲間達は彼の家に泊まり、居間で一緒に演奏した。そしてその翌日、彼は息を引き取ったという。亡くなる前に、奥さんには「もういいだろう・・・」と語ったらしい。新曲の練習で疲れたらしいが、最後の力を振り絞ってトランペットを吹いたという。

その話を聞いて、以前このブログでも書いた「ハロルド・フライの予期せぬ巡礼(The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry)」の小説を思い出した。最初に読んだ時は、一体何が面白いのだろうと思った。でもこうして似たような死に直面すると、とても深いものがあったと思ってしまう。中々その時になってみないと見える物も見えて来ない。

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