Saturday 17 January 2015

パリのアラブ街

今回のCharlie Hebdo襲撃事件で、犯人の兄弟が住んでいたのがBellevilleという町だった。Bellevilleはアフリカ、アラブの移民街である。「美しい街」の意味とは裏腹に、その19区は永年パリに住んでいても、まず足を踏み入れることを躊躇う地域だ。日本のマスコミでは事件の背景にその経済格差を取り上げるが、現地では言わずもがなの感がある。フランスは人権の平等は保証するが、経済に平等感はない。

パリは21区ある。エッフェル塔やオルセー美術館のある7区と、ローランギャロスや粋なブティックが立ち並ぶ16区は高級住宅として人気が高い。ノートルダム寺院やコンコルド広場のある1~4区もいいが、真ん中だけに生活には不便だ。一方ムーランルージュのある18区、チャイナタウンのある13区などは少し格が落ちる。総じて西が高級で東が庶民的である。これは東京、NY、ロンドンなど都市に共通する現象だ。

階級社会のフランスにあって、教育やコネもないアフリカ、アラブ移民が付ける職業は限られている。人目に触れるレストランやホテルのボーイは難しいので、裏方の皿洗い、道路掃除、工事現場の類だ。それでも本国で暮らすことを考えれば天国だ。多くの移民は±プラスで生きている。

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