Monday 24 September 2018

プラハの春50年

今年は、プラハの春から50周年という。1968年にソ連が軍事介入した事件である。市内にもあちらこちらに、当時のパネルや軍用車が展示されていて、観光客が足を止めて見ていた。「ある朝起きると戦車の騒々しい音がして、人が撃たれ・・・」、そんな市民目線で当時を振り返り、50年前の場所で撮った写真の比較が生々しかった。ただ次第に事件を知る人も少なくなり、風化を危惧する年配者が多いらしい。確かにソ連も解体され、自由で豊かになると、遠い過去になった事を感る。

それでも、市内にある共産主義博物館を訪れる観光客は多い。結構中国人も多く、彼らがどう思って見ているのだろうか?、そんな事を考えながら、改めて東西の壁、ワルシャワ条約機構の時代が伝わってきた。ハンガリーのブタペストでも、恐怖の館という秘密警察のスポットは結構混んでいた。館内を見て廻っていると、ナチ政権下の矢十字党、ソ連時代のファシズム、共産主義の暗い過去が蘇ってくる。その地下は牢屋と拷問室が残されていたが、昔行ったリトアニアのKGB博物館では、処刑シーンがビデオで再現されていた。今回はそこまで行かないが、社会主義って恐ろしい!、改めてそんな気持ちになる。

ただ未だに、その時代の名残はある気がする。例えば昔から続く個人商店が見当たらない、特にレストランやキャフェは比較的新しく、所謂一歩入った裏路地の風景がないこと。また生活品を売る市場も、フランスなら毎朝農家が持参する移動式だが、旧共産圏は固定式である。元々は配給制の集積場所だったから、活気も違うし、年配の売子に笑顔とサービス精神がないのも共通している。また車を取り締まる警察官、駐車場の管理人も心持ち怖い気がする。尤もまだロシアを旅した事がないので、悪口ばかり言っていると、後で後悔する知れないが・・・。

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