Sunday 28 October 2018

戦場のジャーナリスト

ジャーナリストの安田純平さんが救出された。3年振りというが、良かったという反面、その責任を責める気持ちも大きい。トルコのエルドアン首相に安倍さんが謝意を示していたから、きっとおカネを払ったに違いない、そう思うと複雑な気分になってくる。

戦場のジャーナリストの走りと云えば、何と言ってもヘミングウェーである。スペイン内戦にも兵士として参加したり、第2次大戦ではイタリア戦線からノルマンジーに上陸、激戦地だったオマハビーチを取材した。2カ月後の着いたパリでは、バンドーム広場のリッツホテルに立ち寄り一杯飲んだが、その縁でバーは今では彼の名前を冠している。ただ彼は正規の従軍記者だった。もう一人、「キリング・フィールド(Killing Field)」の作者シドニー・シェーンベルグである。カンボジアの内戦を取材し、ピューリッツァー賞を取った戦場ジャーナリストである。カンボジア人記者の逃走劇はスリルがあって、何度も見た映画だったが、そのシドニーもNYタイムスの記者であった。

安田さんとヘミングウェーやシドニーを比べるまでもないが、その伝え方も随分と違う。方や見た世界を切り売りするらしいが、一方はそれを編集している。我々も現実の生の姿を知りたいという欲望はある一方で、それを少し加工して、ロマンスや勇敢な兵士物語を織り込んでくれた方が面白い、という心理がある。ドキュメント映画は一度見ると飽きるが、ノンフィクション映画は何度見ても飽きないのと同じである。行くのは勝手だが、やはり責任は自身で取って欲しかったし、生の姿を伝えることが本当にニーズにマッチしていたのか?知りたくない感情もある事も事実である。況や、政府がそんな彼らに関与したのだったら如何なものかと思ってしまう。

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