Tuesday 14 January 2020

Midnight Expressの教訓

ゴーンの逃亡を巡り、レバノンと日本の間で、容疑者引き渡し条約が無い事が問題になった。それを知ってレバノンに逃れたのだろうか?やはりプロが絡むと仕事が緻密になるものだ。

思い出したのは、アメリカとトルコの容疑者引き渡し条約だ。あの映画「ミッドナイトエクスプレス(Midnight Express)」で有名になった実話が発端になった。物語は70年代、トルコから麻薬を持って国外に出ようとしたアメリカ青年が空港で捕まり、当初は3年の刑がその後無期に延長された。過酷な刑務所生活に家族や国も何も出来ず時間ばかりが過ぎたが、最後は脱出に成功して家族の元に帰る。それが切っ掛けで、両国で条約が締結されるようになったという。

ミッドナイトエクスプレスに出て来る青年は、出来心とはいえ麻薬は大きな犯罪であった。国によっては死刑にもなる。ただ映画を見終わった人は10人中10人が、トルコの陰湿な法社会や不衛生な刑務所から脱出出来きた事にホッとする。トルコ側からすると明らかに逃亡なのに、観衆は脱出と母国への生還に喜ぶ。今回もゴーンが映画化する話が持ち上がっているが、日本の狭い刑務所生活や尾行が再現されれば、日本の司法が悪者になってしまう可能性は十分にある。会社のカネを使い込んで背任に問われているのに、人権問題にすり替わってしまう。映画化には気を付けないと・・・。

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