Tuesday, 20 May 2025

クラインガルテン

コメの高騰が続いている。備蓄米を放し始めたが中々下がらない。そん中、江藤と言う農水大臣が「我が家には支持者から貰ったコメが売るほどある」発言があった。よりによってこんな時期に、農政を司るトップの資質に呆れた。政治は「信なくば立たず」、これでは誰も付いて来ない。

そのコメ不足だが、インバウンドで訪日した外国人が食べる量が増えているとか、万博用で確保しているとか噂は絶えない。先般のすき家事件も、国産米に拘った横槍が入ったと言う人もいる。個人的には減反政策のツケが廻ったと思っているが、上手く収まって欲しい。

その農業だが、知人のAさんが千葉で宿泊できる滞在型市民農園を始めると言う。農地と農機具を用意して、都会から人を呼び込むのだと言う。所謂家庭菜園を大きくしたようなイメージだが、素人が簡単に農作を出来るわけでもなく、寒い冬や害虫などの天敵も多いから最初は耳を疑った。

処が辺りを見渡すと、既に全国的な展開が始まっている事に気付いた。農水省の「農地漁村活性化プロジェクト」として、クラインガルテン(Kleingarten)と呼ばれる施策である。テニス仲間のFさんもこれを利用している。東京に奥さんを残し、春から秋にかけて信州の田舎に単身で野菜を作っている。住まいは共同生活のログハウスで、食事や家事は助け合って生活している。

その名前からして発祥はドイツらしい。何やら200年前から続いているという。ドイツは大都市に人が集中しないお国だから、田舎が日本以上に身近である。それが成功の理由と思うが、空いた農地、安い生活費、栽培の魅力の三位一体は万国共通である。

兎角新しい事を始めようとすると、やれ人間関係や栽培が上手く行かなかったマイナスの心配ばかりが募るが、土を弄ると日本人のDNAが覚醒するかも知れない。晩年を窮屈な都会で過ごすのも考えモノである。暫くは温かい気持ちで見守っていきたい。

No comments: