Thursday, 22 May 2025

ポルトガルとシルクロード

トランプ関税の末路について、ある人がシルクロードを引き合いに出していた。

シルクロードは古来東西を繋ぐ陸路として栄えたが、オスマン帝国が通過税や関税を課していた。ところが15世紀になってヴァスコ・ダ・ガマが海洋のインドルートを開拓すると、海運のスピードと安い輸送コストの煽りで、シルクロードは衰退したのであった。

所謂大航海時代の始まりで、その先駆けになったのがポルトガルだった。水は低き所に流れる。今回も米国を通さない物流が大きくなると、第二第三のポルトガルが出て来るかも知れない。

来月イベリア半島の旅を計画しているが、そのポルトガルは今までヨーロッパで唯一行った事がない国だけに楽しみである。あえて避けていたのには理由があった。

昔パリでポルトガル銀行の人にポルトガル料理をご馳走になった事があった。立派なレストランだったが、出て来たタラの燻製のような料理はパサパサして塩気が強く、全く喉を通らなかった。

その人は「ポルトガルは貧しい国だから、魚の保存食がメインになっている」と説明していたが、殆ど偏食もしないから余程の事だった。料理が不味いと、自ずと旅へのモチベ―ションも上がらなかったのである。

処が最近、写真家のKさんが旅した時の写真を見せてくれた。時間が止まったような街並みは素朴で、確かに豊かとはいえないが古びた魅力があった。大した産業もないのに、今まで大国スペインに飲み込まれなかったのも気になる。余り期待していないのが、吉と出るかも知れない。

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