Tuesday, 27 May 2025

ごっつぁんです!

先日、築地の寿司屋に行った時だった。若い力士二人を連れた四人組が入って来た。カウンターに力士を挟んで、如何にもタニマチ風の年配夫婦が座った。

力士は当初遠慮がちに箸を進めたが、アルコールが廻って来ると、どんどん注文をし始めた。寿司は二貫から一度に6〜8貫、大トロ、中トロ、アワビと高いネタもお構いなしである。マグロの串焼きも一挙に4本、その量は尻上がりに増えて行った。

一方タニマチ夫妻は財布を気にしているのか、飲むけど殆ど寿司には手を出さないのが対照的だった。力士は会話もなく黙々と食べ続けた。これには流石、「ごっつぁんです!」の世界に慣れているとはいえ、どうなのかな?と心配になった。20代前半から、こんな世界に浸ってしまって大丈夫なのだろうか?

思い出したのは、昔TVの特集番組で見た元横綱輪島であった。「黄金の左」の投げの豪快な力士だった。ただ現役を引退してからの晩年は、懇意だった居酒屋の一階でゴロゴロ、昼から酒を飲んで過ごしていた。それは現役時代の勇姿を知っている者から見ると、哀れであった。

サラリーマンは原則割り勘である。日本橋に「清く割り勘亭」という飲み屋があったが、ネーミングが安心感になり繁盛していた。言うまでもなく人間関係が長く続く秘訣でもある。

芸能人やスポーツ選手は若い頃にチヤホヤされるから、その慣習が全然違う。築地の若い力士を見ていてそれが気になった。


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