日本のウィスキー事情を知りたくて、「Japanese Whisky 日本蒸留所年鑑」なるものを取り寄せた。それによると、今や輸出額では清酒を凌駕し、500億円の成長産業になっていた。確かにサントリーの山崎や響は何十万円もするから、追随するのは当然かも知れない。
大手を除く殆どの蒸留所は、この数年で始まっていた。母体は地元の酒蔵やベンチャーなど様々である。本の著者は土屋守氏、この道の有名ジャーナリストである。以前スコットランドやアイルランドの蒸留所を訪れた時、彼の「シングルモルトを愉しむ」で予習して知見を深めさせてもらった。今回もその熱意が伝わって来た。
ところで10年以上前に、スカイ島のタリスカー(Talisker)蒸留所を訪ねた時だった。館内にはここで働く男たちの「資質9か条」が掛かっていて、痛く感銘を受けた。
その第一条は「逆境に直面しても、しなやかに適応する性格(Resilient)」であった。第二は「創造力がある事(Inventive)」、第三は「ユーモアがある事(Humorus)」、第四は「タフ(Tough)」、第五は「自分の事は自分でする(Self-sufficient)」、以下「水に強い事(Waterproof)、忍耐力(Patient)、強運(Lucky)」であった。
これから浮かび上がるのが、寡黙でコツコツ働く人の良さである。スコッチの起源は、イングランドの迫害から逃れて山奥で始めた密造酒である。その孤独な環境と戦う内に形造られたのだろう。
ウィスキーは熟成するまで、何年も待たなくてはならない。そこが日本酒との一番の違いである。新蒸留所も既にその試練が始まっている。
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