Saturday 5 April 2014

睡眠薬を盛る女

男に睡眠薬を飲ませて、高級時計を盗んだ女が指名手配になっている。写真まで公開されたので、捕まるのは時間の問題だろう。その話を聞いて思い出したのは、バルトのRさんだった。

Rさんは訳あって現在一人暮らし、雪に閉ざされた毎日はとても退屈である。唯一の楽しみは、金曜日の晩のナイトクラブだ。夜遅くから明け方まで、飲んで踊って過ごす。そこの常連だったRさんは、ある晩ロシア人の女性と知り合いになり、意気投合したので自宅のアパートに誘うことにした。アパートでは用意しておいたワインを飲んで話が弾んだ。そこまで覚えているが、気が付くと朝になっていって、一緒に居たはずの女性が消えていた。

女性だけでなく、財布のお金やパソコン、そして大事にしていた高級ワインまでなくなっていた。騙されたと気付いた時は時既に遅し、今から思えば相手はプロで、乾杯したワインの中に睡眠薬を盛られたようだ。不思議とクレジットカードや身分証明書だけは残っていたというが、足が付くものは取らなかったようだ。それにしても、女も一つ間違えれば牢獄行きだ。それを承知で命がけでカモを狙う、聞いただけでも凄い世界だ。

No comments: