Sunday 3 August 2014

アイリッシュパブ転戦記

世界で一番居心地のいい場所、それはアイリッシュパブである。取り分け本場アイルランドのパブは何とも言えない歴史と伝統があって落ち着く。

改めてパブの暖簾を潜ってみると、まず目にするのはアイリッシュエイル(Ale)である。誰かが馬の小便とか言っていたが泡が無くコクがあるのが特徴だ。冷蔵庫が無かった昔は生ぬるかったらしいが、今は勿論冷えている。どこに行っても目にするのはSmithwicksという銘柄である。キルケニーの赤エイルと言われこれは旨い。そして黒ビールの代表ギネス、別名ストウト(Stout)と呼ばれ、アイルランドに来たらまずこれから始める。ビールに限らずワインなど移動の揺れに弱いので、日本で飲むギネスは薬の味がする。その点地元で飲むギネスはフルーティーで甘く水のようだ。同じエイルでマーフィー(Marphy)というハイネッケン系の黒ビールも良かった。Marphyはシンガポールでもお世話になった世界的なパブの代名詞、味も中々だ。

ただ毎日エイルとストウトを繰り返すと、やはり馴染みにあるラガーに回帰する。それを心得てか、多くのパブでハイネッケンやカールスベルグを置いている。更にドイツの白ビールことヴァイツビールのポーラナー(Paulaner)やベルギーのレフ(Leffe)もある。流石ここはヨーロッパ、近隣から輸入するので簡単に飲める。

こうして興奮していたら、あるベルファースト郊外のバンゴール(Bangor)という街のパブで飲んでいた時だった。地元の人から「それは工場ビールだ、ここに来たならこれを飲め!」とボトルを授かった。「俺の奢りだ」と言って出されたのはMcGrath'sというエイルだった。昔の麒麟ビールのようにビールの中のビールだった。奥の深さを痛感したのだった。

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